免震装置~水平垂直定位置停止機構

【発行国】日本国特許庁(JP)
【公報種別】特許公報(B1)
【特許番号】特許第6795749号(P6795749)
【登録日】令和2年11月17日(2020.11.17)
【発行日】令和2年12月2日(2020.12.2)
【発明の名称】免震装置

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
  本開示は、建造物を免震する免震装置に関する。
【背景技術】
【0002】
  従来より、例えば、建造物である建物等の上部構造体と下部構造体との締結は、下部構造体に埋め込んだアンカーボルトを介して行われており、一戸建住宅のような小型の建物から、高層ビル等の大型の建物まで、広く採用されている。
  このため、上記の免震装置では、アンカーボルトと建造物側の部材との締結を維持しつつ、建造物の免震を可能にするため、様々な構造が提案されている。
【0003】
  例えば、特許文献1の免震装置では、アンカーボルトに固定された可動連繋部と、土台に固定された土台支持部との間に、筒状の空間を形成し、この空間にゴム等の弾性部材を充填している。また、特許文献2の免震装置では、アンカーボルトに連結するとともに土台を支持する土台支持部を設け、土台支持部と土台の側面との間でゴム等の粘弾性体を水平方向に挟み、土台、土台支持部および粘弾性体をネジ等の連結具により水平方向に連結している。
【0004】
  以上の構成により、特許文献1、2では、それぞれ、弾性部材、粘弾性体の弾性変形によって、主に地盤の水平方向への振動を吸収することができ、建物の免震が可能になるとされている。
【0005】
  さらに、特許文献3の免震装置では、建物側のプレートにアンカーボルトの軸部が通る孔を設け、軸部と孔の内周壁との間に形成される空間に、次のような筒状積層ゴムを設ける。すなわち、筒状積層ゴムは、アンカーボルトの軸部外周に配置された内側鋼管と、孔の内周壁に固定された外側鋼管との間に設けられ、薄肉筒状のゴムシートと薄肉の鋼管とが交互に積層されたものであって軸方向にせん断変形可能に設けられている。そして、内側鋼管は、アンカーボルトと下部構造体とに軸方向に挟まれて下部構造体に固定されている。このような構成により、筒状積層ゴムによって、主に建物に作用する引抜き力を吸収することができ、建物の免震が可能になるとされている。
【0006】
  しかし、特許文献1~3の免震装置によれば、いずれも弾性部材等の変形を利用して免震を図るものであり、弾性材の使用量を増やしたり、弾性材として弾性が高い材料を採用したりすれば、免震の効果を高めることができるものの、地震に伴う振動が激しくなる可能性がある。逆に、弾性材の使用量を減らしたり、弾性材として弾性が低い材料を採用したりすれば、免震の効果が下がってしまう。
  そして、このような問題は、建物に限らず、塔、橋、パイプライン等の他の建造物でも同様に存在する。  
【0007】
  そこで、弾性材の態様に関わらず、上部構造体と下部構造体との締結を維持しつつ、建造物の免震を可能にするとともに地震等に伴う振動を抑制する構造が求められている。